腐敗の証～あとがき～

人間関係のドロドロした話が書きたい。
そう考えて書き始めたのが、この話だ。
大まかなストーリーを考えたのは高校２年か３年の時だった。
ストーリーも設定も変わってはいない。
だが、この４人の登場人物の人間関係がドロドロしていたかというと、そうでもない。
そういう意味では、この作品は失敗なのだと思う。

だが、もうひとつの私のやりたいことは一応達成した。
それは完全一人称による作品つくりだ。
一人称にすることで、見えてくる部分と見えてこない部分というものがある。
うまくできた自信はないが、一人称で語っている主人公の心情は三人称で書くよりは見えてくるのではないか。
そして、逆に主人公以外の人間の心情は表面的なものしか見えなくなる。
さらに、一人の人間の視点であるがゆえに真実も曖昧になる。
私は、そうやって曖昧になったり、見えなかった部分を考えたくなる作品を作りたかった。
実際、そういう作品に仕上がったかどうかはわからない。
その上、相変わらず拙い文章しか書けていない。これは本当に申し訳ないことだ。

もし、あなたが一回目を読んだ時にキヒトに同調して読んだのであれば、次はキヒトを疑って読んで欲しい。
きっと違った人や感情が見えてくる。そして、キヒト自身も気づいていないキヒトの心が見えてくるかもしれない。


最後に、設定や状況が非常にわかりにくかったことをお詫びします。
そして、ここまで辛抱強く読んで頂いた方々に感謝を込めて...

ありがとうございました！


----------２００３年４月１８日午前２時頃、
実家の居間で冷蔵庫の音を聞きながら。

あきと

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