day11:幕間

あ、どうも。山本アキラです。
なんで話しかけ形式なのかというと、実は俺には幽霊だけでなくその他のものもいろいろ見えたりするからだ。
うん。そう。だから、あれよ。君らがなんだか、やたら洋介のことやら栄地のことを執拗に観察しているのは知っているんだよ。
たまに、俺達のことも見てるみたいだね。
ま、人間観察は俺も好きだから、それをどうこう言う気はないよ。うん。
つまらん授業聞いてるときとかは俺も人間観察してるしね。
他人の観察なんてするのは暇な証拠だよ。なんか他に生産的なこと探したらどうかな。
って、俺が言うのもおかしいか。

ちなみに、幽霊にしてもなんにしても声は聞こえないから、俺。
君らが何を言おうと俺には聴こえないよ。だから、好き勝手に言ってくれて構わないし。
えーと、なんだっけ？俺は、何を話したらいいんだ？
何でもいいのかな？まあいいか。じゃあ、文化祭のあとに見た風景の話にしとこうか。

文化祭が終わって、洋介も解放された頃の話だ。
俺達は片付けも大体終えて、いつものように一緒に帰ろうとしていた。
２年生の教室は３階にある。３年は２階だ。
関係ないが１年は４階まで毎日階段を上らなければならない。去年は苦労した。
そして、１階には生徒会室や美術室みたいな特別教室なんかがある。
階段は二つあるのだが、建物の端にあるほうの階段を下りていくと、校舎裏が見える小さいスペースがある。
薄っぺらい長方形の形をした校舎なので、そのすぐ向かいには昇降口がある。
学校の構造はこのくらいにしておいて、俺達が目撃したのはその校舎裏が見える小さなスペースだった。
階段下りると、視界に入る。
そこには知った顔が二人いた。
ハチャメチャ（死語か？）生徒会長と俺達の所属する弓道部の部長である。
そういえば、同じクラスになったとか言ってたなぁ。なんてことを思い出しながら、俺は皆には何も言わずに歩きながらそれを見ていた。
そして気づいた。

手、つないでやがる。
そして、楽しそうにおしゃべり。ガラス越しなので会話は聞こえない。

俺は、「あーそういうことね。」と妙に納得して一人でニヤリとしていた。
他の三人には言っていない。たぶん、驚くんだと思う。
なんだかんだで、俺が思うに次回辺り最終回で、卒業式とかやるに違いないので、バラシてもいいだろうと思っての暴露話でした。

お幸せに。

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